Yosuke Nagumo Design

100リバプールストリート
ロンドン 2014-20

ホプキンス・アーキテクツ

1980年代のビッグバン(金融大改革)を象徴し建造された12haのブロードゲート・キャンパスは、金融の中心から技術系やメディア系の企業も集まる多様性のあるエリアへと変貌してきた。その中の一つである100リバプールストリートには、巨大なトレーディング・フロアがあったが、より多業種のテナントに使いやすいようにコアを集約し、地上階には店舗、屋上階には飲食店も入居し、ビジネスだけでなく週末も賑わうように再開発された。ロンドンの景観を守り、地上階の日照に影響しないように慎重にセットバックさせながら増床させている。御影石による重厚な既存外装デザインは、より開放的なガラス面積の大きい性能のよいカーテンウォールに取り換えられた。自転車通勤を促すように660台の自転車が収容できる駐輪場が、使われていなかった巨大なトラスの間に設けられた。駅と広場を結ぶ地上階の公開通路は、スロープをなくしバリアフリーとするために、リチャード・セラの200トンのコールテン鋼の彫刻がある広場の床を1.4m下げ敷地の回遊性を高めた。

再開発を手がけたデベロッパー、ブリティッシュ・ランドは2030年までにブロードゲート・キャンパス全体をネット・ゼロ・カーボンとしたいと考えており、100リバプールストリートはブリティッシュ・ランドにとって初めてのネット・ゼロ・カーボンの建物となった。敷地の下には地下鉄が貫通し、地上階を使用しながら工事を進める必要があったこともあり、既存の鉄骨躯体の3分の1、主に地下のコンクリート躯体の半分を再利用することで内包炭素量を390kgCO2e/uとし、2030年までのRIBAの目標を既に達成している。2050年までにすべての建物をカーボンニュートラルとすべく、英国の建築と都市は更新を続ける。

100リバプールストリートは、BREEAMアウトスタンディングとWELLゴールドを取得した。